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「本田安次賞」
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平成25年度「本田安次賞」選考委員会報告[2020/05/23 更新]
「本田安次賞」:佐治 ゆかり 氏
『近世庄内における芸能興行の研究‐鶴岡・酒田・黒森』(せりか書房)
【選定理由】
佐治 ゆかり 氏は愛媛県の出身であるが、東北大学文学部日本美術史学科卒業後、長年、福島県立博物館学芸員として多くの展示経験を経た後、現在郡山市立美術館長として活躍中である。
今年度、本田安次賞の対象となった『近世庄内における芸能興行の研究』は、江戸時代に庄内藩であった鶴岡・酒田・黒森における芸能興行の実態を調査し、構造を分析・解明する過程で新しく「法楽」という概念を提示し、都市部の鶴岡・酒田と郷村部の黒森を対比することで、近世の東北地方に展開した独自の芸能存続システムを解明し、新しい芸能史研究の視点を開いた労作である。
「本田安次賞特別賞」: 渡辺 伸夫 氏
『椎葉神楽発掘』(岩田書院)
【選定理由】
渡辺 伸夫 氏は福島県出身であり早稲田大学卒業後、早稲田大学演劇博物館の学芸員を経て、昭和女子大学教授となり、母校の早稲田大学でも非常勤講師(本田 安次の講座を受け継ぐ)を継続した。平成24 年3 月に両校を退任したが、現在も主として九州地方の神楽を中心に調査研究を続けている。
今年度、本田安次賞特別賞の対象となった『椎葉神楽発掘』は、宮崎県東臼杵郡椎葉村の村報『広報しいば』に昭和56 年1 月号から掲載が始まったコラム「椎葉神楽発掘」をそのまま書名としたものである。このコラムは、平成4 年6 月まで、12 年間に亘って127 回連載された。本書は、このコラムに加筆、訂正をした上で、その後、諸書に発表された数編を加えて一冊にまとめたものであり、コラムの連載がスタートして以来、三十余年かけて完成をみた。しかし、著者は「発掘」で力を注いだのは主として「唱教(唱え言)」と「神歌」であり、椎葉神楽全般を取り上げてはおらず基礎的な研究にとどまっており、本書が今後の研究の礎になることを願っているという。本書の三十余年にわたる基礎研究の成果は大きい。
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